マイオピン®点眼治療
子供の近視進行
近年、小児の近視進行は重大な健康問題として世界的に広く認識されています。近視は遠くの物がぼやけて見える状態で、その進行には遺伝的要因と環境要因が関与するとされています。特に、昨今の屋外活動の減少やデジタルデバイス等による近距離作業の増加が進行を促していると考えられています。
近視の進行メカニズムの一つとして、眼軸が伸びることが挙げられます。眼球が前後方向に伸びると、焦点が網膜の手前に形成されてしまい、遠くがぼやけて見えるようになります。
近視の進行は視力低下だけでなく、将来的に緑内障、網膜剥離、黄斑変性などの発病リスクを高める可能性があり、これらの疾患は視力喪失や失明につながる可能性があるため、早期の予防と管理が重要です。
マイオピン®(低濃度アトロピン)とは
マイオピン®(低濃度アトロピン)は、小児期の近視進行の軽減を目的に、シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発・製造された点眼薬です。この薬剤は通常のアトロピンよりも低濃度(0.01〜0.025%)であり、副作用が少ないため、長期間の使用が可能です。多くの研究において、低濃度アトロピンが近視の進行を約30〜60%程度抑制することが示されています。このため、近視の進行を防ぐための有効な手段として注目されています。
マイオピン®の特徴
- 毎日、就寝前に1回1滴点眼のみの治療法です。
- 重篤な副作用の報告はありません。
- 日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。
- 目の遠近調整機能(手元を見る作業)にほとんど影響を与えません。
- 本製品はGMP(医薬品製造管理及び品質管理基準)準拠の工場で製造されています。
治療対象となる方
6歳〜12歳の学童の方*
3ヶ月に1回の定期通院が可能な方 軽度〜中等度の近視の方
*12歳以上の方でも対応は可能です
診療費用について
現在、マイオピン点眼は日本で未承認薬剤であることから、自由診療(自費診療)による治療となります。マイオピン処方と同日に保険診療を行うことはできません(保険診療の例:アレルギー性結膜炎の治療、眼鏡処方を行うなど)。
診療カテゴリ | 内容 | 価格(税込) |
検査1 | 屈折・視力など | 1,000円 |
検査2 | 眼軸測定 | 1,000円 |
検査3 | 眼鏡処方 | 1,000円 |
診察 | 前眼部など | 1,000円 |
処方 | マイオピン0.01% マイオピン0.025% | 3,300円 / 本 4,300円 / 本 |
※. 検査料・処方料は予告なく変更される場合がございます。
診療の流れ
検査を行い近視の有無、治療適応について診察を行います。
必要に応じて、調節麻痺薬での屈折検査や眼鏡処方なども行います(以降は自費診療となります)。
点眼薬の説明ならびに同意確認の上、マイオピン点眼を1ヶ月分(1本)処方します。
検査および診察にて継続可能か判断し、問題が無ければ2ヶ月分の点眼薬を処方します。
2ヶ月後の検査および診察にて問題がなければ、以降は3ヶ月毎の定期検査となります。
3ヶ月毎の定期検査および診察を行なっていきます。
※ 眼軸測定を行った場合、
検査1 + 検査2 + 診察 + マイオピン(0.01%) x 3本 = 12,900円
※ 近視の進行が早い場合や点眼効果不十分の場合は、マイオピン0.025%(4,300円)を検討・ご提案致します。
※上記診療の流れは一例になります。検査内容は適宜変更する場合がございます。
Q & A
その他、ご不明な点はお気軽に当院スタッフまでお問い合わせ下さい。
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