MiSight® 1 day(マイサイト)近視進行抑制コンタクトレンズ
MiSight® 1 day(マイサイト)
近視進行抑制コンタクトレンズ
2025年8月、日本国内で薬事承認を取得した
近視進行抑制専用の1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。

MiSight® 1 day とは?
MiSight® 1 day(マイサイト ワンデー)は、クーパービジョン社が開発した子どもの近視進行を抑制する目的で設計された1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。世界で初めてCEマーク・米国FDA承認を取得した近視抑制用ソフトコンタクトレンズとして、現在30カ国以上で使用されており、日本でも2025年8月に厚生労働省の薬事承認を取得しました。
「メガネの度数がどんどん進んでいる」「日中も近くがよく見える状態で過ごしたい」……。そんなお子さんやご家族のために、当院ではMiSight® 1 dayを取り扱っています。

MiSight® の仕組み ― デュアルフォーカス設計

📍 屈折矯正ゾーン
お子さんの近視の度数に合わせて遠くをはっきり見えるようにするゾーンです。日常生活を快適に過ごせます。
🔵 トリートメントゾーン(近視抑制)
網膜の手前に意図的にピントを結ばせる(デフォーカス)ことで、眼軸が伸びようとする刺激を抑制します。視距離にかかわらず、常に近視性デフォーカスが形成されることがポイントです。
MiSight® 1 dayは、1枚のレンズの中に2種類の光学ゾーンが同心円状に交互に配置された「デュアルフォーカス(二重焦点)」設計を採用しています。このデュアルフォーカス構造により、普通に生活しているだけで近視の進行を抑制するシグナルを目に送り続けることができます。
エビデンスに基づく治療効果
MiSight® 1 dayは世界の臨床試験によって、その安全性と効果が確認されています。
🔬 3年間 国際無作為化比較試験(Chamberlain et al., 2019)
対象: 8〜12歳の近視児童(ポルトガル・英国・シンガポール・カナダ)
比較: 単焦点ソフトコンタクトレンズ(Proclear® 1 day)vs MiSight® 1 day
単焦点 −1.24 D
(差:−0.73 D, p<0.001)
単焦点 +0.62 mm
(差:−0.32 mm, p<0.001)
単焦点レンズを使い続けた場合と比べ、3年間でMiSight®は屈折の進行を約0.73D、眼軸の伸びを約0.32mm少なく抑えました。 眼軸0.1mmの差が将来の眼疾患リスクに影響することを踏まえると、0.32mmの抑制は長期的な視力保護において臨床的に重要な意義を持ちます (Tideman JWL, et al. JAMA Ophthalmol. 2016)。


グラフ:屈折変化量(Mean change in SER, D)、眼軸長変化量(Mean change in axial length, mm)の36ヶ月推移
出典:Chamberlain P, et al. A 3-Year Randomized Clinical Trial of MiSight® Lenses for Myopia Control. Optom Vis Sci. 2019;96(8):556–567./Tideman JWL, et al. JAMA Ophthalmol. 2016;134(12):1355–1363.
📊 6年間 長期フォローアップ試験(Chamberlain et al., 2022/2025)
- 3年間の装用で眼軸伸長を約52%抑制 ─ 効果は長期間継続
- 治療中止後もリバウンド(急激な近視進行)なしを確認
- 重篤な有害事象は認められず、高い安全性を確認
MiSight®の治療を中止した後、眼軸の伸展速度は年齢相応のペースに戻るだけであり、 それまでに得られた抑制効果が一気に失われる「リバウンド現象」は確認されていません (Chamberlain P, et al. Optom Vis Sci. 2025)。
これはオルソケラトロジーや低濃度アトロピン点眼でも共通する知見であり、 治療を続けた期間の恩恵はそのまま維持されます。

グラフ:眼軸長変化量(mm)の84ヶ月推移。T3 untreated(単焦点3年→MiSight切替)・T6 Treated(MiSight 6年継続)の比較。
出典①:Chamberlain P, et al. Long-term Effect of Dual-focus Contact Lenses on Myopia Progression in Children: A 6-year Multicenter Clinical Trial. Optom Vis Sci. 2022;99(3):204–212.
出典②:Chamberlain P, et al. Eye growth and myopia progression following cessation of myopia control therapy with a dual-focus soft contact lens. Optom Vis Sci. 2025.
⚠️ 大切なお知らせ:MiSight® 1 dayは近視の進行を「完全に止める」ものではなく、「進行を遅らせる」治療です。個人差があり、全員に同じ効果が得られるわけではありません。定期的な検診での経過観察が必要です。
治療の対象となる方
- 8歳以上の方(コンタクトレンズの自己管理が可能な方)
- 乱視の少ない方(- 0.75D以下)
- 1日10時間以上、週6日以上コンタクト装用できる方*
- 3ヶ月毎の定期通院が可能な方
* 装用時間が短い場合、近視進行抑制効果が得られない場合があります。
費用について
他の近視進行抑制治療との比較
| MiSight® 1 day | オルソケラトロジー | 低濃度アトロピン(リジュセア®等) | |
|---|---|---|---|
| 治療の種類 | 1日使い捨てSCL(日中) | ハードCL(就寝時装用) | 点眼薬(寝る前1回) |
| 装用タイミング | 日中(起きている間) | 夜間就寝中 | 就寝前(点眼) |
| 日中の裸眼視力 | —(レンズを装用) | ◎ 良好(レンズ不要) | △(眼鏡等が必要) |
| 近視抑制効果(屈折) | 約59%(3年RCT) | 30〜60%(2年間前向き試験) | 20〜40%(濃度・期間により異なる) |
| 対応できる近視度数 | 〜 -10.00 D | 〜 – 4.00 D 程度(限界あり) | 度数制限なし |
| 管理の手間 | ◎ 使い捨て・洗浄不要 | △ 専用洗浄液での毎日の手入れが必要 | ◎ 点眼のみ |
| 水泳・スポーツ | △ 水泳は度付きゴーグルへ変更推奨 | ◎ 日中はレンズなしでOK | ◎ 制限なし |
| 装用時の異物感 | ◎ ソフトレンズで快適 | △ ハードレンズのため慣れが必要 | — |
| リバウンド | ◎ なし(報告あり) | ◎ なし(報告あり) | △あり(中止後の加速リバウンドの可能性) |
| 日本の承認状況 | ◎ 2025年8月 薬事承認 | ○ 承認あり | ◎ 2024年12月 承認(リジュセア®) |
| おすすめなケース | 日中の活動が多い・強度近視傾向・ハードレンズが苦手 | 裸眼視力を確保したい・スポーツを楽しみたい | コンタクトが難しい・他治療との併用 |
💡 当院では複数の近視進行抑制治療をご提供しています。
どの治療法がお子さんに最も合っているか、診察時に詳しくご説明します。MiSight®と低濃度アトロピン点眼の併用治療を検討できる場合もあります。お気軽にご相談ください。
治療を始める前に知っておきたい注意点
- 装用できる年齢・度数の条件があります(目安:8歳以上、球面度数 −0.25 D〜−10.00 D、乱視 −0.75 D 以下)。当院での診察・検査が必要です。
- 日中装用のレンズのため、起きている時間は装用が必要です。就寝時は必ず外してください。
- 近視進行抑制効果を得るため、1日10時間以上、週6日以上の装用が必要です。
- 同心円のデュアルフォーカス設計により、一部の方はハロー(光のにじみ)やグレアを感じることがあります。個人差がありますが、多くの方は日常生活への影響はほとんどないとされています。
- 治療の効果を正しく評価するため、定期検診(目安:初回1ヶ月後、3ヶ月後、以降3ヶ月ごと)が必要です。必ず受診してください。
- 清潔を保ち感染を予防するため、レンズを触る前後は必ず石鹸で丁寧に手を洗ってください。
- 目に充血・痛み・かすみ・異物感などの異常を感じた場合は、すぐにレンズを外してご連絡・ご来院ください。
- 近視の進行が落ち着くまで(一般的に18歳前後まで)継続することが大切です。途中でやめることも可能ですが、その場合は医師にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
- 何歳から始められますか?
-
一般的には8〜12歳での開始が推奨されています。コンタクトレンズの着脱を自分で(または保護者のサポートのもとで)行えることが条件です。開始時期については診療時にご相談ください。
- 子どもでもコンタクトレンズは使えますか?
-
MiSight® 1 dayはソフトレンズですので、ハードレンズのような強い異物感はほとんどありません。最初は少し慣れが必要ですが、多くのお子さんが短期間で慣れています。初回は当院スタッフが丁寧に練習をサポートします。
- 何年くらい使い続けるのですか?
-
近視の進行が落ち着くまで使い続けることが効果を最大化します。一般的に近視の進行は10代後半(高校卒業前後)まで続くことが多いため、数年〜10年前後を想定していただく場合があります。定期検診の結果をもとに、都度ご相談しながら続けていきます。
- 費用はどのくらいかかりますか?
-
MiSight® 1 dayは、通常のソフトコンタクトレンズと同様に、診察費用は保険診療、レンズ費用は別途ご負担いただきます。ただし、低濃度アトロピン点眼などの自由診療を併用する場合は、自由診療となり、費用は全額自己負担となります。詳細な料金については、当院窓口またはお電話でお気軽にお問い合わせください。
- やめた後に近視が一気に進む「リバウンド」は起きますか?
-
MiSight® 1 dayでは、治療中止後にリバウンド(急激な近視進行)は確認されていません(6年間の長期フォローアップ試験)。治療をやめた後は、年齢相応のペースに戻るとされています。
- 低濃度アトロピン点眼(リジュセア®)との違いは何ですか?
-
低濃度アトロピン点眼は寝る前に目薬をさすだけのシンプルな治療ですが、矯正視力の改善効果はなく、度数に合った眼鏡やコンタクトレンズが別途必要です。MiSight® 1 dayは1枚のレンズで「近視矯正」と「近視抑制」を同時に行えます。それぞれの特徴を踏まえ、当院ではお子さんの状況に最適な治療をご提案します。
- 見え方は普通のコンタクトレンズと違いますか?
-
デュアルフォーカス設計のため、一部の方はハロー(光のにじみ)やグレアを感じることがあります。ただし、臨床試験では多くのお子さんが装用感・見え方ともに良好と回答しており、日常生活に大きな支障をきたすことはほとんどないとされています。
- オルソケラトロジーからMiSightへ切り替えることはできますか?
-
はい、可能です。強度近視が進んでオルソケラトロジーで対応が難しくなった場合や、ライフスタイルの変化で日中のレンズ装用の方が適している場合など、切り替えをご相談いただけます。
- 低濃度アトロピン点眼(リジュセア®)と併用することはできますか?
-
併用可能です。MiSight® 1 dayによる光学的な近視抑制効果と、低濃度アトロピン点眼の薬理的な抑制効果を組み合わせることで、相乗効果によるさらなる近視進行抑制が期待できると報告されています。ただし、リジュセア®点眼液は保険診療と診療区分が異なるため、併用する場合は自由診療(全額自己負担)となります。詳細については、こちら >リジュセア®ミニ点眼治療
- 他に近視進行抑制効果のあるコンタクトレンズはありますか?
-
当院では、MiSight® 1 dayのほかに SEED 1DAY Pure EDoF(シード ワンデー ピュア イードフ) も取り扱っています。このレンズは、海外で「MYLO®」という名称で近視進行抑制コンタクトレンズとして販売されている製品と同じ光学設計(焦点深度拡張型・EDoF)を持ちます。
MiSight® 1 dayが同心円デュアルフォーカス設計であるのに対し、SEED 1DAY Pure EDoFは焦点深度を拡張する設計で、見え方の質感に違いがある場合があります。どちらが合っているかは、お子さんの度数・生活スタイル・見え方の好みなどを踏まえて診察時にご相談ください。詳細については、こちら > SEED 1DAY Pure EDoF
受診の流れ
1️⃣
ご予約・来院
まずはお電話またはWeb予約でご来院ください。現在の見え方・近視の経過についてお聞きします。
2️⃣
検査・適応判定
視力・屈折検査・眼軸長測定などを行い、MiSight®が適切かどうかを確認します。
3️⃣
装用練習・処方
スタッフが丁寧にレンズの着け外しを練習します。初めてのお子さんも安心してください。
4️⃣
定期検診
1ヶ月後・3ヶ月後・以降6ヶ月ごとに定期検診を行い、治療効果と目の健康を確認します。

MiSight® 1 day 製品仕様
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| メーカー | クーパービジョン(CooperVision) |
| レンズタイプ | 1日使い捨てソフトコンタクトレンズ |
| 光学設計 | デュアルフォーカス(同心円二重焦点)、加入度 +2.00 D |
| 素材 | omafilcon A(含水率 60%) |
| 直径(DIA) | 14.2 mm |
| ベースカーブ(BC) | 8.70 mm |
| 度数(PWR) | -0.25D ~ -6.00D (-0.25Dステップ) -6.50D ~ -10.00D (-0.50Dステップ) |
| 適応年齢(目安) | 8歳以上(コンタクトレンズの自己管理が可能な方) |
| 入数 | 30枚入(1箱) |
| 装用時間 | 日中のみ(就寝時は必ず外す) |
| 承認状況 | 2019年 FDA承認 / 日本国内 2025年8月 薬事承認取得 |
参考文献
- Chamberlain P, et al. A 3-Year Randomized Clinical Trial of MiSight Lenses for Myopia Control. Optom Vis Sci. 2019;96(8):556–567.
- Ruiz-Pomeda A, et al. MiSight Assessment Study Spain (MASS): A 2-year randomized clinical trial. Graefe’s Arch Clin Exp Ophthalmol. 2018;256:1011–1021.
- Tideman JW, et al. Association of Axial Length With Risk of Uncorrectable Visual Impairment for Europeans With Myopia. JAMA Ophthalmol. 2016;134(12):1355–1363.
- Chamberlain P, et al. Long-term Effect of Dual-focus Contact Lenses on Myopia Progression in Children: A 6-year Multicenter Clinical Trial. Optom Vis Sci. 2022;99(3):204–212.
- Chamberlain P, et al. Eye growth and myopia progression following cessation of myopia control therapy with a dual-focus soft contact lens. Optom Vis Sci. 2025.
- Japan Myopia Society(日本近視学会)近視の進行抑制治療


